上記のような金融危機への対策が打たれることにより、モラルハザードの発生が懸念される。どのような結果に陥っても安全が保証される仕組みが整うことで、銀行経営の自制が失われ、より社会全体のリスクが高まる可能性がある。このため、銀行経営者への責任追及を重視する見方もある。
近代に金の預り証から始まった銀行は、金本位制の下で発展を続けた。産業革命後、設備投資や商業取引による資金需要増大で銀行は大いに成長したが、不安定な信用構造はたびたび崩壊し十年周期の景気循環を引き起こす要因となっていた。
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1929年に世界恐慌が発生すると、各国の脆弱な金融体制は次々に瓦解し信用経済システムは崩壊の危機に瀕した。各国は独自の再建に乗り出した。全体主義が広まりつつあった当時は、強権的な政府により銀行が再編・規制され、管理・保護が前面に押し出された金融行政が行なわれた。
第二次世界大戦後、ブレトン・ウッズ体制の下で世界経済は記録的な成長を遂げるが、この中でも金融への規制は厳しく保護された金融システムとなった。
1970年代以降、ニクソン・ショックを契機にブレトン・ウッズ体制が崩壊すると金融は次第に自由化の流れへ向かった。この中で各国は銀行業への規制を次第に撤廃し、競争的な銀行システムが形成されていった。
2008年から2009年には、米国の住宅バブル崩壊により、世界金融危機が発生し現在も危機が継続中である。