反射と走性
刺激に対する反応が単純な動きである場合、それを反射と呼び、刺激の方向に対して特定方向への移動や向きを変える動きを走性という。
反射や走性はもっとも単純なタイプの行動である。生活史の中で特定の時期に働いて、重要な行動の要素となる。
たとえば、サケが生まれた川に戻るのは、川の水に含まれる成分への走化性が働くためと見られる。あるいは、マダニは地表で卵から生まれ、草をよじ登って葉の先の裏側に落ち着く。これは、負の走地性と負の走光性が働くからだが、大型動物が接近すると、吐く息に含まれる二酸化炭素を感知し、途端にその方向の葉の表側に移動する。これは二酸化炭素に対する正の走化性が働き、同時に負の走光性が正の走光性に変わるのではないかとも言われる。
広く考えれば、植物の場合も環境に対して一定の反応をする。例えばアブラムシの食害に対して捕食者を呼び寄せる化学物質を分泌する植物が知られている。これは動物行動学では反射と見なされる反応だが、行動生態学では行動の一種として扱う。
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行動が、生得的なものであるのか、後天的なものであるのかで分け、それぞれにそれを支えるしくみを解明する。生得的なものであれば、それに影響を与える遺伝子が存在し、神経系や筋肉系など、作りつけの装置の構造に基づくはずである。
生まれつき、生活史の特定の段階で、特定の組み合わせで複雑な行動を行い、目的を達するようになっている場合、そのような行動を本能行動と呼ぶ。昆虫などでよく発達したものが見られる。